2024年 6月13日
| 【DTM】ZOOM LiveTrak L-8を購入!(経費で)
| ゆうがた |
| K音楽部の部活動で、長らくコロナ自粛していたスタジオ練習を昨年9月に再開した訳ですが、 しばらくリモートセッションに慣れきっていた身としてはあまり乗り気ではなかった(スタジオだと自分のペースで演奏できないので)のですが、 久々にスタジオセッションしてみると、これはこれでやはり楽しいものです。
で、試しにスタジオセッション動画を撮ろうとした訳ですが、イヤモニなしだとテンポがドラム次第になってしまい、大抵は遅すぎるカンジになってしまう。 そこで、DAWの音(オケ)を聴きながらの同期演奏を試そうと思ったのですが、そのためにはいろいろとした準備が必要。 まずDAW側の音源には同期用のクリック音トラックを追加。ついでに出だしを分かり易くするガイド音声も追加しました。 それをドラムがイヤモニ出来れば一応大丈夫ですが、せっかくなので全員オケやクリックを聴けるようにヘッドフォン用スプリッターを購入。
オーディオインターフェースは自宅PCで使用中のがありますが、入出力が1系統ずつしかなくイヤモニ用と外出し用の音を分けられない。 そこで、オーディオI/FとMacBookのイヤフォン端子を機器セットとしてまとめることで、2系統の出力が可能になります。 (Macの場合は内蔵音源の遅延がないので、イヤフォン出力でも全然使える)
その構成で試しにスタジオイヤモニをやってみた結果、成果もありましたが課題も多数。 ・イヤモニが1系統なので音量調整も1系統、つまり聴く人に合わせて細かく調整できない。(これは検証前から分かってたけど) ・大音量のドラムはともかく他の楽器はヘッドフォンをすると自分の演奏がほぼ聞こえない。(演奏音はギター・ベースアンプやスタジオミキサーのみで返しがない) ・クリック音はドラム以外は必ずしも必要ない(むしろウルサイ) これらの解決には、イヤモニする人にそれぞれミキサーを置くか(非現実的)、 演奏音を個々のトラックに入力してそれを個々のイヤモニに出すしかない、つまり複数の入出力が出来るオーディオI/Fが必要。
4系統入出力くらいのオーディオI/Fなら比較的安価でありますが、それではバンド演奏には足りない。 5系統以上となると価格はそれほどでもないが、ともかく機器が重くデカくなってしまう。 それに多系統出力のオーディオI/Fでもモニターアウトプットが多系統あるとは限らない。(フツーは2系統が関の山で、結局ミキサーも必要になり機材がさらに増える) 1UサイズのオーディオI/FとMacBookとその他ケーブルや機材を毎回スタジオに持ち込みセットアップするのも大変過ぎる。 (カメラマンもやってるので、カメラ複数台も含めて既にキャリーバッグに詰め込んで出動している)
自分らみたいなアマチュアどころか素人レベルのバンドが、こんな本格的な機材買う必要あるのか。 本格的オーディオI/Fを買う前に、スタジオで借りるという手もある(セルフレコーディングキットとして)のだが、 事前の検証が出来ないうえ、スタジオに行ってからのセットアップのためにスタジオレンタル料(4000円/h)が相当ムダになるのは間違いない。
いろいろ調べてると、オーディオI/FよりもMTR(マルチトラックレコーダー)の方が良いよ、というサイトを見ました。 DAWとかが普及する前から、アナログMTR(テープに録音する)を使用するバンドマンは多数いたようですが、 今はSDカードなどに記録するデジタルMTRもある訳で、MTRならDAW不要で同期演奏も録音もこなせるとのこと。 ただ、サイトでお勧めされていたMTRは既に絶版で、他に代替になる機材もない模様。(Amazonで売ってるが中古品なのに2万近くする)
途方に暮れていたところ、最近はもっとハイブリッドな機材があるじゃないか。 ミキサーにMTR機能が付いてて、あまつさえオーディオI/Fにもなるというマルチっぷり全開のヤツが。
まあハイブリッド機材なだけに、オーディオI/Fよりも少し高い(4万円強)が5000円ほど値引きされた瞬間を狙って購入に踏み切りました。 10トラックの同時録音が可能なMTR機能と、12in4outのオーディオI/F機能、そして8トラックミキサー機能、および4系統のイヤモニ可能なハイブリッド機材です。 部活動用の機材なので会社の経費のつもりで購入しましたが、認められなかったら自腹かなw
さて機材が届く前から説明書PDFを手に入れ、同期演奏の構成を検討します。 なるべくDAWを使わずMTR機能だけで同期演奏とマルチ録音をしたかったのですが、それがなかなか難しい。 SDカードの各トラックにバンド演奏楽器の元音源を置きそれを聴きながら演奏しようと思ったのですが、結局いろいろ検討した結果MTR単体ではムリでDAW併用が必要となりました。 まあDAW併用した方が制約は減るのでやむなしですな。 DAW側にオケとクリック+ガイドを入れてMTR側へ入力することにしました。
あと、勘違いから当初の構成を変える必要がありました。 ZOOM L-8のトラック入力は、キャノン(XLR)+フォン(TRS:バランス)のコンボジャックのモノラル(1ch)が6個とフォン(LINE)の2chが2個の計8トラックあります。 「10トラック同時録音」という売り文句があったことと、LINEの2トラックは2chステレオ再生できるため、てっきりステレオ入力端子(TRS:アンバランス)だと思っていました。 しかしそれだと「L-8」じゃなく「L-10」という名前にするはず。(モノラル8トラック(8ch)+ステレオ2トラック(4ch)の上位機種がL-12なので) で、ステレオ録音できるならその1トラックを使ってドラムを録音したい。 そのためにはマイク(XLR)2本を1本のLINE(TRS:ステレオ)に接続できるケーブルが必要、ということで意外にも選択肢がほとんどない中なんとかAmazonで探し当て購入しました。 (実際はTRS側が3.5o(ミニプラグ)の製品しかなかったので6.35mmアダプタも必要)
・・・しかし、このケーブルとマイクでテストを始めたところ、このLINE入力の2トラックはモノラル端子(TRSではなくTS)だと分かりました。 え、だって7-8トラックはステレオ(2ch)のWAVファイルが再生出来る(むしろモノラル(1ch)WAVは再生不可)だし、オーディオI/FとしてPCから入力する際は1トラック当たり2ch入力、両方使うと計4chになるんですよ・・・? などとぼやいても後の祭り。「L-8」という名のとおり、この機種は純粋にMTRとしてはモノラル8chの入力しか出来ないのです。(ステレオ録音には2トラック必要) 8ch入力でもバンド演奏くらいなら十分じゃ? と思われるかも知れませんが諸々の理由で足りなくなるのです。 まず、ギター、ベース、キーボード、ボーカルとコーラスやサブ楽器(クラリネットなど)で6ch必要。さらにドラムで2ch使うとそれで終わり。 つまり、オケやクリックを出すトラックがない。 この2ch分を確保するとコーラスやサブ楽器のトラックが足りない。 この時点で、上位機種(L-12)にすれば良かったか・・・と若干後悔しましたが、L-12になると価格もサイズも重量もデカく(すべて倍近い)なってしまう。 制約の中から生まれる芸術の方が尊いのだ、と言い聞かせ、8chで何とかする方法を模索しました。 まあどう考えてもドラムで2chはムリなのでモノラルとするしかない。 しかしドラムをモノラルで録るとかなり音がショボくなるし、録音ならミキシングのときに加工できるから良いけどライブ演奏のときはどうすれば? 実はこのZOOM L-8には簡単なエフェクタも内蔵していて、コーラス(ステレオ化)機能を使えば少しマシな音になるじゃないか。
但し、このエフェクタは8種類あるが全トラックで1種類しか選択できない。 EQ(イコライジング)やパン(左右位置調整)などは各トラックごとに調整できるが、エフェクタは掛かる強度以外は個別設定できないのだ。 しょうがないのでエフェクトを掛けたいボーカルやギターと併せて、ドラムに掛けても違和感なくてステレオ感の出せるエフェクトに絞り設定した。 空いた1chにサブ楽器を当てることして、あとはコーラスをどうするかだが、こればかりはどうしようもないので、練習時はMTR入力なし、録音時は別録りとすることに。 尚、ライブのときはUSB用の1chが空くので問題なし。
そんな感じでMTRの設定(各トラックのエフェクトやイヤモニの各設定は保存しておける)を行ない、DAW側から出す音も設定して1曲分は環境構築が完成しました。 本体のフェーダー部とイヤフォン端子部には、各トラックの楽器名をシールで作って貼りました。(スタジオで迷わないように) ただ、そのDAW側の構築の際に要らぬトラブルに陥った。 MacOSのMIDI設定画面では、L-8を繋ぐとちゃんと「12in4out」のオーディオI/Fとして認識しているのに(12chと言ってもマスターLRを除いたトラック単位としては10ch)MacOS版のDAW、Cubaseでは入力が1ch(それもマスターのLだけ)しか認識されない。 ドライバを再インストールしても機器セットをやめて単体で構成しても何をやってもダメなので、MacOSのせいじゃなくCubaseのせいなのかどうかを調べるために別のDAWを入れてみることにした。 StudioOneというヤツで、比較的新し目のインターフェースで無料のエントリー版でもそこそこ使えるらしく、最近ちょっと気になっていた。 コイツをインストールしてみると、あっさり12ch入力を認識したのでL-8との連携はこっちのDAWでいくことにした。 まあ、現時点ではDAW側への入力はぶっちゃけ使ってないのだが(録音はMTRでする予定)、今後はおそらくDAW側にも入力すると思うので。 3万円も出して買ったCubaseだが、Windows版もちょくちょく不具合を起こすし、Mac版は最新版でもAppleシリコンネイティブで動かない(Intel版をRosetta2でエミュ駆動)し、いろいろとインターフェースも古臭いし・・・とネガが出始めていたこともあり。
次回のスタジオ練習は7月なので、それまでに諸々の環境構築を終わらせて挑みたいと思います。 あわよくばそのままスタジオ録音もしてしまえば、個人のスマホで録って寄せ集める方式よりは良い音が録れると思う。
※尚、Windows版Cubaseではこのようにちゃんと12in4outを使えます。
あと、Mac版はAppleシリコンネイティブで動かないと言いましたが、設定を変えるとネイティブで動きました。 しかし動作は何ら変わらず、LiveTrak L-8のインターフェースはおかしいままです・・・ | | | |
|