2022年 9月14日
| 【DIY】急展開!白デカール問題が解決!?
| ゆうがた |
| 数学の難問である、フィボナッチ素数問題やポアンカレ予想問題などと並ぶDIY業界の難問が・・・ 白デカール問題です。 白抜き文字の水転写デカールは自作できるか?という難問です。 F1マシンなどのレーシングカーをフルスクラッチした場合、造形だけならかつてはプラ板やパテ成形、またはバキュームフォーム、今なら3Dプリンタで印刷などいくらでも方法はありますが、悩みの種はスポンサーロゴデカール。 市販のデカール(大きさも適切な)が存在するマシンならば流用可能ですが、これまでキット化されたこともない弱小チームや、最新マシンを作りたいと思ったときには貼れるデカールが存在しないため自作することになります。 白いマシンに貼るスポンサーロゴなら、市販のクリアデカールに普通のプリンタで印刷すれば解決ですが、白抜き文字はそうはいきません。 そして大抵の場合、F1のスポンサーロゴは白抜き文字だらけなのです。
実はかつては解決策が存在していました。 当初(1990年代中頃)はほぼ自作手段がなく、印刷業者に自作インレタ作成を依頼する方法くらいでした。 版下さえしっかり作ればもちろんプロの業者なので精度の高いインレタを作ってくれるのですが、それなりに価格も張ります。 安く抑えたい派&自分でDIYしたい派としては、当時手に入るのがプリントゴッコくらいでしたが、精度は酷いものでした。 その後、かなりの有望株が登場しました。 1990年代後半に登場した、ALPS MDプリンタシリーズです。 当時全盛のインクジェット方式ではなく、ワープロ時代からあるインクリボン方式のプリンタなのですが、そのインクリボンに白が登場したのです。 このインクでクリアデカールに印刷すれば、あっという間に自作白デカールの完成! 自分も当時MD-1300を購入して、白デカール印刷に挑戦していました。
しかしこのプリンタの問題点は解像度の問題とインクの定着不良問題、そして安っぽい作りで壊れやすいこと。 普通紙や専用のフォト用紙への印刷は問題ないのですが、クリアデカール(サードパーティー製だが一応MDプリンタ用)に印刷すると定着が悪く細かい文字はカスレるし、自分のプリンタも例にもれずメカが壊れました。 5年ほどの使用後、エラーが頻発して印刷出来なくなったのです。 今思えばなんとか修理すれば良かったのですが、当時はまさかその後の世界がALPS以前の時代に逆戻りするとは思っておらず、もっと高性能な後継機をALPSが出してくれると思い、あっさり捨ててしまったのです。
その後、ALPSは後継機のMD-5000シリーズを出しましたが、それほど性能は変わっておらず(むしろフォト印刷できるMD-1300の方が性能が良かった)、あまつさえ2000年代中盤にはプリンタ製造から手を引いてしまいました。 今も白インクリボンは謎の販売ルートがあるようですが、既に製造されていないプリンタは中古品しかなく、もちろん高値で取引される始末。 その後は、Tシャツなどに熱転写するシートを使ったり(精度が悪い)、テプラの白インクリボンを改造する方法(精度は悪くないがカートリッジ内のシールをクリアデカールに置き換えるのが面倒)など、いろいろ試す人は出ましたが、決定的な白デカール問題の解決には至りませんでした。
しかし、自分は知りませんでしたが別の解決策があったようです。 それがこの、白トナー法です。 どうやら業務用ではレーザープリンタ用の白いトナーというのが以前からあったようですが、もちろん業務用プリンタを購入しようものならイニシャルコストが100万円以上と、まったく一般向けではない。 が、その白トナーさえ手に入れば、家庭用のプリンタのトナーと入れ替えて使う方法があるじゃん!を実践しているところがありました。 所謂リサイクルトナーと同じ方法で、空カートリッジに白トナーを詰めて売るやり方で。 もちろん、リサイクルトナーを使った時点でメーカー保証がなくなるのですが、これなら市販の数万円の卓上プリンタで実践可能になる! 一般向けと言ってもレアな需要向けの製品なのでまあまあの価格(トナーカートリッジ1個4万円前後)はするのですが、プリンタ価格と併せても6万円程度だし、業務用と比べれば格安。 しかも黒トナーと入れ替えて使うだけだから、特別なソフトも本体の改造も不要。
ということでちょうど自宅のプリンタ(10年以上前に購入)が経年劣化等もあり印字品質が落ちてきたし、無線LAN接続できる機種に買い替えたかったついでもあって、購入に踏み切りました。 これまで使っていたNEC Multiwriter5700Cは2万円ほどで売っていたカラーレーザーですが、無線LAN接続もできず両面印刷も非対応でしたが、年賀状印刷や自作ハンコンのステッカー、HALのロゴ印刷などに活躍してくれました。 が、さすがに耐用年数もはるかに過ぎて画質もだいぶ落ちてきたので、買い替えにちょうど良い時期でした。
新しいプリンタはRICOHのSP C260Lです。最新ではなく5年ほど前の機種ですが、それなりに最近の機能が搭載されています。 とりあえずまずはフツーのレーザープリンタとしてセットアップします。 せっかく無線LAN対応機種なので、まずは本体側でWi-Fi設定をします。 上下ボタンしかないのでパスワード入力が大変ですが、一応問題なくつながりました。 尚、やっとAppleのAirPrintに対応した機種になったので、試しにiPhoneから直接印刷をしてみます。 めっちゃあっさり印刷成功。これは楽だし楽しいね! そして知りませんでしたが、両面印刷にも対応してるのね、このプリンタ。凄くない? 今までのプリンタとさほどサイズは変わりませんが、両面印刷ユニットが内蔵されているのです。 今時のプリンタってホント凄いな・・・
ではおもむろに白デカール印刷テストを行ないます。 セットアップは超簡単で、黒トナーを白トナーカートリッジと入れ替えるだけ。 あとは、オールブラックの版下データを作り、付属のクリアデカールTH(はがきサイズ)に印刷します。 このクリアデカールTH以外は非対応なので使用禁止、と書いてますが、別に高いデカールという訳ではなくAmazonで10枚入り770円で売ってます。 昔は倍の大きさとは言え1枚1000円くらいで売ってたので激安ですな。 ちょっと設定でつまづいたところもあったものの、ちゃんとイラストレータではがきサイズデータをクリアデカールに印刷出来ました。 それほど高精細なプリンタではないですが、特に文字つぶれとかカスレもなく良好な印字結果で、1/20くらいのモデルに貼るのにも十分な画質。 おそらく実際に貼ると透けると思うのですが、2枚重ねで貼れば多分問題なし。 MDプリンタ時代はこんな一発でうまくいくことはなかったな〜、良好な結果を得るのに結構苦労した記憶が。 白トナー単体が38500円(本体の倍)もするので、おいそれとは買い足せませんがA4サイズで2000枚印刷できるとのこと。 A4サイズのランニングコストが19.25円/枚(はがきサイズならその1/4)となるので、MDプリンタのインクリボンがはがきサイズで25円/枚だったらしいことを考えるとより低コストということに。(しかもクリアデカールTHが30枚付いてくる) 画質も印刷スピードも使い勝手も、さらにはランニングコストでもMDプリンタに勝つるじゃん! 言うことなし! | | | |
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