2005年 6月12日
| カオス理論
| あさ |
| バタフライ効果 - 北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークが嵐になる -
という例に代表されるように、 初期パラメータのわずかな誤差が後の結果に重大な影響を及ぼすという、カオス理論の帰結 (だから長期の天気予報は出来ない)
自分の過去を振り返って、あの時ああしておけば、今こうならずに済んだのに・・・ と思うときが多々あるが、(いわゆる後悔するってヤツですね) 実際にその過去に戻って、自分が間違いだと思った行動をしない選択を取ることが出来たらどうなるのか?
・・・という映画が、「バタフライ・エフェクト」です。 主人公がなぜそんな技術を持っているか、というあたりは説明されていませんでしたが、 とにかくそのワザを駆使して過去を変えた結果、 様々な「副作用」が生じて望んだ未来にはならない・・・というのがネタです。
ただ、オレが思うに、この映画は「SF」というにはちょっと説明が欠けている気がします。 カオス理論そのものは数学的見地から生じた、れっきとした学問なわけで、 それを扱うからにはサイエンス・フィクションと呼びたいところですが・・・ (科学じゃなくて数学だから、マスマティクス・フィクションか?)
オレがこの映画にSF要素を付け加えるとすれば、多次元宇宙論を持ってきたいところです。 主人公は何度も何度も過去を変えようとし、失敗しますが、 その失敗だったストーリーの世界はどうなってしまったのか? 主人公の頭の中だけに存在する幻なのか?
実はこれは別の宇宙のストーリーだとしたら?
この宇宙はひとつではなく、ビッグバン以後のインフレーション膨張の際に多数のパラレルワールドが作られた・・・ というのは、宇宙論のひとつの仮説ですが、 おのおのの宇宙には大局的な相違点はなく、ほぼ平行に進んでおり、 わずかなパラメータの差が違いを生んでいる世界です。 つまり、彼の能力は過去を操作することではなく、別の次元の宇宙へ意識を飛ばすことが出来る能力ではないか? 別の宇宙では違う行動を取って、違う結果になったかもしれない。
こうすれば、この映画の説明不足な点を補えるのではないか・・? とか思うのですが。(考えすぎだ)
ちなみにこの仮説をタイムマシンに応用したのが、かのマイクル・クライトンの小説「タイムライン」であり、映画にもなってます。 こちらの話では、時間軸のずれた別の宇宙に行った結果が、この宇宙の過去にも影響を及ぼす・・・というカンジで、 「バタフライ・エフェクト」よりもSF的により突っ込まれていて、感心します。 ただ、こっちはバタフライ効果についてはほとんど触れられてなくて、 過去の行動によって現実の世界が変質してしまう・・・という話はないことになってます。 まあメンドウだしね。 「ジュラシック・パーク」の原作でカオス理論を盛大に展開したクライトンにしては、どうも突っ込みどころが足りない気もしてしまいます。 (ジュラシック・パークのカオス理論はストーリーに関係なかったし)
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