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  2015年12月 6日 
【自炊日本語字幕】ゲティスバーグの戦い ディレクターズカット
  まよなか
さてさて困ったことになりましたww

前回新たに購入したブルーレイ版「ゲティスバーグの戦い」ですが、既にある日本語字幕ファイルをマージしてMP4化するだけ、と思われた矢先、
実はディレクターズカット版にしかないシーンが多数あることに気づき・・・
すなわちVHS版にもDVD版にも存在しなかったシーンなので、当然プロの翻訳が存在しない。
となると、自分で英語字幕から翻訳を起こすしかないということになりました。

いずれにしろまずは、ブルーレイに内蔵されている英語字幕を取り出す必要があります。
ところが、これまたDVD同様に簡単に出来ると思われた作業が、ブルーレイでは難航することに・・・

DVDもブルーレイも、字幕データは文字以外を透過させるレイヤーに書き込まれています。
選択した言語ごとに、必要なレイヤーを表示させると、映像に文字がオーバーレイされる寸法です。
ようするにテキストデータではなく画像なので、ひょいと簡単に抜き出しという訳にはいきませんが、DVD版から取り出したときに便利なツール一式を揃えていました。

まずはDVD DecrypterでVOBファイルをリッピングし、そこからIfoEditでSUBファイル(字幕レイヤー)を取り出します。
そのSUBファイルをSubRipにかけてやると、画像から文字をOCR解析し、テキストに起こして、めでたくメモ帳で開ける字幕ファイルが出来る訳ですが、ブルーレイでは同じ手が使えませんでした。

ブルーレイのリッピングは今のところMakeMKVでしか上手く行かないのですが、このソフトはその名の通りMKV形式のファイルに変換するもの。
すなわちVOBからSUBファイルを取り出したりする旧来のアプリでは、MKVファイルを認識できない。
そこでMKVファイルを解析・分解できるアプリを探したところ、「MKV Extract」というものが見つかりました。

これを利用すると、MKVファイル内の任意のアーカイブファイルを取り出せるので、英語字幕ファイルを選択。
しかしここで出てくるのはSUP形式の字幕。
今度はこれをSUB形式に変換しないといけない。
そうするとこれまた名は体を表す「Sup2Sub」というアプリがあり、これでSUB形式に変換できます。(Javaアプリで、JAR形式を解凍せずにJavaランタイムに食わせる特殊な起動方法)

このSup2Sub、当初はMKVから直接SUBファイルを取り出せそうだったので、何度も試したのに「ファイルが大きすぎる」とかワガママなエラー連発でちっとも上手く行かず。
出来ないなら出来ないと初めからいいなさいよ

SUBが出来たのでようやくSubRipにかければSRT形式になる・・・と思われましたが、これまた上手く行かず。
新し気なバージョンに変えてもダメだったので諦めて、別のアプリを探すことに。
しばらくしてようやく探し当て、「VobSub」というアプリでこのSUB形式が読み込めるように。

DVD版に比べて文字の解像度が上がっているので、OCR解析もほとんど全自動・・・かと思いきや、アプリが覚えるまでは辛抱強くアルファベットを1文字ずつ教えていかねばならない。
SubRipよりも自動解析が苦手なようで・・・それでも15分ほど文字認識をさせたら、あとは自動で最後まで読み込みました。
(大文字小文字はもちろん、フォントが変わったり斜体になるだけでも、一から覚え直しなので、結構文字数が多くなる)
紆余曲折を経て、ようやくディレクターズ・カット版英語字幕ファイルが完成。(OCRの間違いは思ったほどはなし・・・まあ英数と記号だけだし)

そしたら今度は、字幕編集アプリ「AegiSub」でDVD版の日本語字幕を読み込み、ディレクターズ・カット版に合わせてタイムタグをずらしていきます。
DVD版にないシーンが出てくると、タイムタグが分単位でずれるので、シーンにピッタリ合うように丁寧に。
そして空いた箇所に英語字幕ファイルから、新たに翻訳が必要な英文をそのまま貼り付け、とりあえず1次ファイルが完成。
次に、今回のキモ、英語のままの箇所を地道に翻訳していく作業に入りました。

そもそも英文を字句通りに翻訳することすら覚束ないのに、映画のタイミングに合うセリフ回しや、時代背景も考慮に入れつつ、かつプロが翻訳した箇所との違和感が出ないよう、自然に日本語字幕するのはとてつもなく骨が折れます。
カット部分は時間にして20分程度ですが、カットされるだけに前後のシーンとのつながりが微妙に薄かったりするので、字句通り訳しても一体何のはなしをしているのか、掴めないこと多々あり・・・
状況に応じて変わる単語・熟語の場合は、時代考証をしつつ、必要なら当時の環境や他の戦闘に関するWikipediaを読んだりして、もっとも意味の通る訳にし・・・
ああ〜、なるほどこりゃ戸田奈津子を叩けないわww

それになんと言っても字幕は、字句通り訳していると文字数が多すぎて表示し切れない。
DVDの自炊字幕のとき、プロの翻訳と英語原文を見比べて、なんでこんな超訳になるのか、と訝しがっていましたが、自分でやってみればよく分かります。
例えばこんなカンジ。

英語の原文:I think Lee's turned the whole army headed this way, trying to get around us get between Meade and Washington.
普通に翻訳:リーが全軍をこちらに向けてこの道を方向転換し、ミードとワシントンの間に回りこんで来ようとしているのではないか
字幕用翻訳:リーは全軍をこちらに向けて 我々の退路を断つに違いない

上の場合、セリフの時間にして6.5秒しか表示されないので、1秒4文字とすると26文字まで。
だから原文では、固有名詞も含めて言っているにもかかわらず、ほぼ全部端折って、短くする必要があるのです。
だから前回、「地名や人名などの固有名詞がなくて、歴史を知らないと背景説明が分かりづらい」と言いながら、少し足したりしてたんですが、
自分でやってみると、確かにそんなもの入れるスペースがありませんでした。
さらにもちろん、どんだけ端折っても文字数オーバーしたり、収まりが悪かったりすれば、言い回しを変える必要もある。
こんなカンジで。

英語の原文:Is there going to be a disturbance in our town?
普通に翻訳:私たちの町が騒乱に巻き込まれるのでしょうか?
字幕用翻訳:町をあまり荒らさないでよ

言い回しを変えるにはボキャブラリーがないと無理だし、慣用句的なものも理解が必要。(つまり間接的表現を直接表現に変えるとか)
やってみれば百聞は一見にしかず、なるほどというカンジです。

まあそんなこんなで、なんとかカットされていた箇所の翻訳も出来、MP4で固めてHD版ゲティスバーグが完成しました。
やっぱりフルHDリマスターは綺麗だ〜


あ、そうそう、間違えて買ってしまった欧州版、思ったよりは早く到着しました。スペインから。
なんと意外にも、PS3に挿してみるとフツーに閲覧可能。但し吹き替えも字幕もスペイン語のみ。
英語すらないので、やはり見れてもこれでは自炊が出来なかったわい。
でも、パッケージはやっぱりアメリカ版と違っていて、こっちのほうがカッコいい。それにアメリカ版はなんかビニールがボコボコしてるけど、欧州版はキレイ。

さて、これでひとつは終わったので、次は「GODS AND GENERAL」のほうだな。
ディレクターズカットのおかげで、多少は翻訳も悪くないと思い始めてるけど、プロみたいにはいかんからね〜当たり前だが。
 
 

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