2015年 2月11日
| 【ハンコン】Ferrari F1ホイール大改造劇的ビフォーアフター!
| ゆうがた |
| さて、ついにこの時がやってきました。 自前コックピットの最大の山場、F1ホイール(ステアリング)製作です。 かつて3年ほど前に夢見たリアルF1ホイールを、作ってしまうことにしました。
先日購入したF1シフトインジケータが思った通り出来が良かったので、やはりアレはF1ホイールに収めねばならないだろうということで。 目指すはこんなカンジ。
これは2012年型フェラーリF1マシンのステアリング(レプリカではなく本物) アマルガムが製作しているレプリカハンドルでは、もっとツヤツヤ仕上げですが、本物はこのように半ツヤでしかも結構「巣」があります。 ゴムの持ち手部分との境目も、なんか毛羽立ってるし、ようするに本物はそんなにキレイじゃないということ。 なので、自分としてはレプリカのようにピカピカにしなくても、むしろ多少雑な方がリアルに見えるという方向で進めたいと思います。
で、早速素体となるThrustmaster Ferrari F1 Wheelを購入。 Amazonで並行輸入品が22000円ほどでしたが、どのみちすぐにバラすし、正規保証も要らないので中古でもいいやと箱破損の新古品を19000円で購入しました。 見てのとおりLEDインジケータの部分はThrustmasterのロゴが入ってるだけだし、真ん中のフェラーリマークダイヤルも動かないし、あまつさえその周囲のダイヤルはただのエンボス加工。 こんなカンジなので試しにそのままT300RSに取り付けてみましたが、まったく感動はなし。 デフォルトのボタン類の動作確認だけして、すぐにバラし始めました。 中の基盤や配線、ボタンやダイヤルもすべて取り外し、表面のアルミのエンボスも剥がします。 そしてまずはおもむろに、LEDインジケータが収まる部分の穴あけ加工と、前面パネルの段差が本物と違うのでその再現をプラバンで行ないます。 ちなみに当初はこの加工を昔買った電池式のリューターでする予定でしたが、いざやってみるとモーターのパワー不足で精密ノコが食い込んで止まってしまう。 で、慌ててプロクソンのもっとまともなリューターを買うことになりました。 さすがプロクソンリューター、ABS樹脂はおろかアルミ棒すらも切れるほどのパワーで、この後のハンドル製作に大変重宝しました。
ちなみにこの間にLEDインジケータを小改造しました。 ノーマル状態だと7セグ表示部分が白すぎると思ったので、ホームセンターでスモークパネルを買ってきて、ノーマルの透明アクリルと交換してみました。 さらに、シフトインジケータやデルタ部分は逆に本物は白っぽいのですが、ノーマル状態だとLEDが透けて見えちゃってるので、ここにはLEDに被せる白い帽子を購入して取り付け。 これでだいぶリアルな見た目になりました。
表面処理のパテとかを乾燥させている合間に、内部の配線作業も進めます。 エンボス加工でダサかったダイヤル関連はすべて、ロータリーエンコーダーを仕込んでLEDインジケータと接続するので、日本橋の共立電子やアキバの秋月電子などを駆使して各種電子部品を調達します。(秋月からはもちろんネットで購入) ロータリーエンコーダー、リード線、収縮チューブ、簡易コネクタ、各色3mmLED+抵抗、それとエンコーダー用のダイヤルノブなど。
ちなみに知識がないのでテキトーに購入したリード線ですが、「スズコート1.2mmより線」というもので中の銅線が初めからよってあって、しかもハンダが染み込ませてあるもので、ハンダ工作が下手な自分には大変楽ちんなリード線でした。 LEDはなんかテキトーに、3mm径のものを青、白、オレンジの3色。2個ずつ計6個しか使用しないのですが、各色10個単位でしか売ってないので30個も。(とは言え10個で100〜200円ですが) 50Ωだか100Ωだかの抵抗は、念のため購入しましたが、LEDインジケータ側に回路が付いていたので必要ありませんでした。 この程度のハンダ付け作業でも丸2日ほど掛かってしまっています。
あと、LEDインジケータのUSBケーブルは、外付け用と内部用とそれぞれコネクタが用意されていて、好きな方を使えるのですが、ハンドル内に収めるならコネクタが小さい方がいいので、付属の内部配線用コネクタと市販のカールコードを繋げて内蔵します。 で、USBケーブルはハンドルの背面から外に出せるように、パーツに穴を開けました。
外装の表面処理が出来たところで、満を持してカーボン柄フィルムを貼ります。 何年か前に購入して使用していなかったダイソー製があるのですが、さすがに100均では品質的に問題があるかなあ・・・と思って一応別のヤツも用意しました。 150cm × 30cmで580円なのでこれもたいして高くはないのですが、別のパーツに貼ってみて検証してみます。 ところがなんと、580円のヤツよりダイソーのほうが高性能なことが分かりました。 ダイソーのは一見厚みがあって、凸凹部に綺麗に貼れないかと思ったのですが、ちゃんとドライヤーの熱でしなやかになって表面に馴染みます。 が、580円の方(Amazonで売ってる一番安いヤツですが)は薄くてよく馴染むかと思いきや定着性がめっちゃ悪い。半日ほどですぐに剥がれてきてしまいます。 ということで、ダイソーで行くことにしたのですが、やはりこれまた初めての作業、皺にならないように貼りこむ方法が身についておらず、結局失敗に終わりました。
とは言っても大失敗という程ではなかったのですが、そもそもカーボンフィルムを貼ってから外装加工の失敗に気づいたせいもあって。 実はダイヤルパネルの穴あけ位置がおかしくて、上2つのダイヤル(REVとBOOST)のシールを貼った場合周りのデザインに干渉してしまうのです。 うまくやるにはダイヤルの位置をもっと内側にしないといけないのと、他にも外装デザインを改善したいところがあったので、一旦フィルムを剥がすことにしました。 左がカーボンフィルム貼り直前のデザインで、右が改修後です。 あんまり分からないかも知れませんが、かなり全面的に改修しています。(穴あけ位置や表面処理、パネルラインも) 併せて、フィルム貼付後でいいかと思っていた飾りビス用の穴も開けました。 ちなみに飾りビスはM2の6角丸ネジとM3の6角皿ネジですが、どちらもフツーのホームセンターはもちろん東急ハンズにも無いサイズのため、ラジコン屋で購入しました。
丸ネジの方は、ムダにチタンボルトになっていますw アルミとかステンレスのがなかったのでやむなく。
さてココで、予定になかった改造をすることになってしまいました。 当初年末年始の休みで大半の作業を終え、都合2週間程度で完成させる予定だったのですが、カーボンフィルムの失敗などもあり、いろいろやり方をググっている間に要らないものを見つけてしまいました。
同じフェラーリハンドルのボスがクイックリリースに改造してある・・・! Thrustmaster T300RSは、元々ハンドル部分を取り替えることが出来る構造で、ノーマルの丸型やフェラーリ458イタリアレプリカや、今回のF1ホイールなどの別売りホイールが出ているのですが、その取替え方法はお世辞にも「クイック」とは言えない方法。 ハンドル側のオスネジと、本体側のメスネジを合わせて手で締め込み、最後に木ネジで固定するというカンジ。 どうせなら本物のF1マシンぽく、カチンとクイックに取り付けたい。 ロジテックのG27用辺りには専用のクイックリリースパーツが売っているようですが、もちろんこういうパーツは数万円はします。 で、もしかして実車用なら安くてに入るんじゃないかと考え、ヤフオクで見てみると・・・え、3000円台!? しかも実用性の高い薄型でもいいかと思っていたところ、上の写真と同じF1タイプも新品なのに同じような価格で・・・しかもメーカーはスパルコ。
スパルコと言えばF1ドライバーの耐火スーツや4輪用ドライビングシューズなどの用品で有名なイタリアメーカーですが、もちろんこんな値段で買えるはずはありません。 試しにスパルコの公式サイトで見てみると・・・やはり5万円はする。 ということは、これは中国製のパチモンということです。 実車につけるなら精度や安全性の観点からオススメしませんが、所詮ハンコン用だし、失敗しても数千円ならいいやと思って購入してみることにしました。
ノーマルハンドルとF1ホイールを付け替えないといけないので、もちろん2セット必要です。が、一つだけ懸念が。 中国製の精度の悪いものの場合、そもそも同一セット内の取り付け自体にガタがあるものもありそうですが、それ以上に別のセットとは相性が悪くて合わないかも知れない。 ハンドル側は2セット要りますが、本体側は1つあれば良い、というか取り替えられない(取り替えたら意味が無い)ので、買った2セットが相性が悪くないように祈るしかありません。 届いたクイックリリースボスでまず確認したのがそこ。 案の定というか、2セットの内、本体側に付けるシャフトのほう(黒い方)は片方しか使えませんでした。@のハンドル側(金色の方)とAのシャフトとは合いますが、Aのハンドル側と@のシャフトとは全く合わず、刺さらないのです。 おそらく微妙に形状が違うのでしょう。 幸いAのシャフトはどちらのハンドル側とも合うので、こちらを本体に固定することにしました。 尚、ガタについては@Aのどちらもセット同士なら全くガタがなく、違うセットでもほんの僅かなガタがある程度だったので、問題なしでした。
次の懸念としては、なにせハンコンなので中に配線とコネクタがあり、それをボスに通す必要があります。 もしボスのシャフト内が貫通していなかったり、径が足りなかったりした場合は、別の策を練らないといけません。 が、届いたボスにノーマルの丸型コネクタ(DIN6ピン)を合わせてみると、周りのプラスチックを削ればなんかいけそう。 ドンピシャ!!あつらえたようにピッタリ。 これならイケる!ということで、ボスを固定するステーをアルミで作り、固定してみました。 ところが。 それなりに精度を持って作ったはずのステーですが、やはり手作業ではボルト穴とかの位置が微妙にずれているようで。 固定したボスを回転させてみると、シャフトがセンターになっておらずわずかに右に寄っていて、扇形に回転してしまう。 いくらアバウトな自分でも、ここがズレているのはさすがに無理。いただけない。 でもハンドドリルでは精度が出せない、ということでまたまたカオスに突入していくのです・・・
で、ボール盤を買いました。
嫁に「和室が工場みたいになっていくね・・・」と揶揄されながらも、これを買わざるを得ない状況になってしまいました。 (最終的にはベランダに移動します・・・削りクズが飛び散って大変なことになるので) しかしこれまた情報収集せずに購入したボール盤は、結果的に失敗でした。精度が悪すぎるのです。(ハンドドリルよりは良いけど) そもそもボール盤とか旋盤とか触ったこともなかったため、何がどうであれば良いのか分からないまま、一番安いヤツを買ってしまったので、えらい苦労をすることになりました。 ドリルをチャックして試しにテストしてみると、ドリルの先端がすごくブレている・・・ドリルが悪いと思って新しいものに買い換えると多少は収まったものの、まだブレが。 それに安物だけにモーターがパワー不足で、木工すら微妙なレベル。 今回は2mmのアルミ板なので、多分大丈夫だと思うが、鉄鋼は絶対無理だろうな。
たかがハンドルボスのステー製作といえど、それなりに見える部分のパーツなので見た目もキレイに作りたいと思いましたが、どうやら本気でやるには卓上ボール盤レベルではダメな模様で、10万クラスのボール盤やフライス盤でやっと最低限レベルということが分かりました。 さすがにそこまで扱う自信もないし、することも限られているし、とりあえずボルト穴さえまともに開けば良いということで、この安物ボール盤でなんとかすることに。
定規とボールペンとデザインナイフだけで穴あけ位置の印を付けるのは難しいデザインなので、PCで図面を書いてリタックシートに印刷し、それを貼り付けて位置決めすることにしました。 計3枚のアルミ円盤を作りたいので、それぞれ穴位置の違う図面を描き、それをアルミ板に貼り付けます。 それをボール盤と一緒に購入したクロステーブルで厳密に位置決めし、ほぼ正確な位置に穴あけ出来ました。 丸く切り抜くのは、当初は自在錐というものを買って試してみましたが、ボール盤の精度の悪さとパワー不足でまったく役に立たず、結局ノコギリで大雑把に切り取ってボール盤にチャックして形を整える方法にしました。 この試行錯誤に2週間を費やして、ようやくハンドルボスの固定完了。 今度は間違いなく、シャフトのセンターを中心に回転しました。 さらにハンドル側を、まずはノーマルハンドルの方を先に加工。 元々のオスネジボスを切り取ります。 それからクイックリリースの方にはコネクタを固定する部分をボール盤で少し削り、接着剤で固定。 加工したアルミ円盤をクイックリリースにボルト留めして、アルミ円盤を挟んでオスネジボスを切り取ったパーツに固定して組み立てると完成です。 こんなカンジで、本当にクイックリリース出来るようになりました。もちろん強度や精度も十分。
ちなみにクイックリリースを取り付けたことで、ハンドルボスが長くなりました。 ハンドルとの距離を適正にするのにシートを後ろに下げたため、ハンドルの横にあったシフトノブが遠くなってしまったので、マウステーブルを手前に寄せました。 そしてF1ホイール側にも同様のボスを取り付け、クイックリリース関連作業は完了。 まあ一応、安物の腐れボール盤ではありますが、多少の役には立ちました。 でも、今後使用するかどうかは・・・あ〜フライス盤が欲しいなあ。 ちなみに余談ですが、金色部分に貼ってあるスパルコのロゴは、カッティングシートによる自作です。あった方がカッコ良いので。(中国製パチモンですが)
そろそろ仕上げの作業です。 カーボンフィルムのリベンジということで、やはりまともな製品を購入することにして、3Mのダイノックフィルムにしました。100cm × 30cmで2680円くらい。 併せて、フィルムの食いつきを良くするケミカル、ダイノックプライマーも購入。 プライマーを塗布してからダイノックフィルムを貼りこんでいきます。最初は用心して背面カバーから。 結構な凸凹具合のパーツですが、ドライヤーを駆使してかなりキレイに貼り込めました。もちろん、どうしても回りこまない部分はカットして別シートで補修していますが。 背面のフィルム貼りがうまくいったので、いよいよ前面にかかります。 ちなみにさすが3Mというか、一見したカンジではダイソーのフィルムとよく似ているのですが、そこは本物。 なんとドライヤーなしでもある程度手で伸ばすだけで、凸凹や曲面部に貼り込めることに気づきました。 ドライヤーで伸ばすと縮みが制御できなかったり、シワが寄ったりするので、むしろそれほど複雑でない部分は手で馴染ませる方がキレイに貼れます。
もちろんプライマーの効果もあるとは思いますが、やはり中国製ではなく本物のフィルムにしといて良かったです。
さらに事前にイラレで作成しておいた各種デカールをレーザープリンター用カッティングシートに印刷します。 今回は円形のマークとかが多く、フリーハンドだとキレイに切り抜けないので、カッティングプロッタも駆使してデカールを作成しました。 印刷とカット位置がズレないように合わせるのが結構大変。 貼り付け位置もズレないように気を付けて、外装は概ね完成です。 う〜ん、素晴らしい。
最後の難関は内部配線の仕上げ。 ちゃんと動作するように間違えずにコネクタを繋ぎ、余った配線を余白にうまく逃すように整え、元々の基板も設置します。 ・・・がやはり増えた配線がうまく内部の収まらずフタが閉まりにくい・・・一部コネクタの差し違いや抜けもあり、動作チェックしながら4回ほどフタを開け閉めしてようやく完全動作するようになりました。 (途中、ボルトのステーに配線を挟んでしまい断線するミスもあり、一晩掛かってしまいました)
最後にずーっと悩んでいたプラパーツを作成。 ノーマルで付いているダイヤル「DIF IN」と「CHRG」には、本物には目盛が貼ってありますがハンコンにはありません。 目盛を貼ると現在選択している部分だけが見えるようなカバーが必要で、それを何で作るかをずっと悩んでいました。 エラストマーの椅子の足みたいなものも試しましたが、フニャフニャ過ぎてうまくいきませんでしたが、いろいろ考えた挙句、マーカーのフタはどうだろうかと。 テキトーなマーカーを100均で買ってきて、試しにダイヤルに合わせてみると径がピッタリだったので、それを輪っか状に切り取って加工しました。 目盛が見えるよう小窓を切り取って、両面テープで固定してみると、まあまあ遜色ないのでこれで良しとしよう。 ま、作り直したくなっても内部の分解は必要ないので、いつでも出来るし。 ついでに、右上の「P」ボタン(ピットスピードリミッター)には、コース上で誤って押さないように枠が付いているので、同じくペンのフタで作成しました。
これでついに完成です。 増設したダイヤルで、LEDインジケータの表示機能を切り替えたり、LEDの明るさもリアルタイムで変更可能。 もちろんゲーム内のコントローラとしても機能するので、ゲームの設定変更(ブレーキバランスとか画面表示切替とか)にも活用できる。 真ん中のフェラーリマークももちろんダイヤルとして機能します。
なんだかんだで約1ヶ月半かかりましたが、概ね満足できる完成度で、やって良かったです。
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