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  2004年 2月15日 
サイエンス・フィクション=哲学書
  まよなか
遅まきながら、山本弘の「神は沈黙せず」を読みました。

・・・・恥ずかしながら、「趣味は宇宙論」を吹聴しながら、「地平線問題」「平坦性問題」「磁気モノポール問題」は知っていましたが、
「パイオニア減速問題」については聞いたことすらありませんでした。
かつて地球から打ち上げられた人工衛星で、人工物体としては初めて太陽系を離れた
パイオニア10号、11号やボイジャー1号、2号が、計算どおりなら太陽系の重力を振り切るはずのところ、
原因不明の重力によって速度が落ち、いずれ停止してしまうというのです。
その重力を生み出す謎の物体の証拠はいまだなく、つまるところこれは、
現在の科学理論であるニュートン理論や相対性理論が間違っていることになります。

ちなみに今現在の趨勢である「インフレーション理論」を用いれば、前述の3問題「地平線」「平坦性」「モノポール」は解決するそうですが、
どうもその説明もはっきりとした解答を示してはくれているように見えません。
ましてや「ダークマター(あるべきはずの質量)」「宇宙の起源(ビッグバンはどうして起こったか)」
「生命の起源(物質から生命への飛躍)」については、あらゆる理論を用いてもまったく説明不可能な問題です。

ここらへんの純科学的問題を含め、かつ彼の得意とする「UFO」「宇宙人」「霊」「超能力」「ファフロツキーズ」などの
オカルト要素をすべて関連付け、さらには「進化論」「宗教」「人工知能」「量子コンピュータ」「民族紛争」「心の量子論」など
あらゆる分野の項目に経済学、歴史学、科学、心理学等の豊富な知識で、ひとつの大胆な究極理論に結び付けてしまう!
・・・まあよく読めば其処此処に矛盾や誤認もあるような感じですが、不勉強な自分ではそれを指摘できる証拠を揃える知識もない。

ともかく、少なくとも、面白いSF小説であることは間違いない。
下手をこくと、誰かが経典にしてしまいそうなカンジでもあるが。
はっきり言って今まで山本弘関連の本は「トンデモ本の世界」シリーズや「こんなにヘンだぞ!『空想科学読本』」など批評系の本や、
ソードワールドRPGリプレイシリーズなどの企画モノばかりで、彼個人のSF小説はまったく読んだことがなかったのです。
「サイバーナイト」や「ギャラクシートリッパー美葉」とか・・・タイトルがやたら安っぽいし・・・(笑
そのため、批評本での彼の毒舌と文章の面白さは知っていたものの、
小説となると堅苦しい理論や知識の応酬で読むのが辛いかも知れない・・・と思っていましたが、「間違ってました」。
思い出してみれば、ソードワールドRPGリプレイシリーズでも、
一番面白かったのは山本弘がGMをやったところだったかも。

それはともかく、キリスト教の教祖であるイエスが、オウムの麻原彰晃のような犯罪を犯している可能性もある・・・
というくだりはちょっとゾッとしたかな。
2000年も経つ間にその凶悪事件は忘れ去られ、イエスに直接会ったことのない信者が
その功績を美化して経典を作る・・・それが今に伝わる聖書である・・・と。
クリスチャンに殴り殺されそうな発言だが、確かにオウム(名称変わってもミームは同じ)があと2000年存続したら、
今のキリスト教のようにならないと断言は出来ない。

そういえば士郎正宗も「攻殻機動隊」でミーム理論を展開していたが、
「心の量子論」程度では語れそうにないよ、ペンローズさん。

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